そのタイミングで、いよいよ私も『資本論』を読み始めました。
…というのは大嘘で、代わりに何をしたかというと、テレビ番組『エンデの遺言』を久しぶりに視聴しました。
メディア業界を卒業してからずーっと考え続けている「経済活動の未来、それを支える通貨の未来」というテーマ、その思索と行動の過程で出会った「衝撃」を、思い返してみようというわけ。
ちょうど5年前の今ごろ、(なぜか)東京都千代田区役所の1階ロビーでこの番組を観たときの衝撃は、今でも覚えています。
※番組の視聴方法は、この記事の最後でこっそり教えますね。
1999年にNHK-BSで(ひっそりと)放送された『エンデの遺言 - 根源からお金を問う』。
プロデューサーはNHKエンタープライズ21(当時)の河邑厚徳さん、制作の中心を担ったのはグループ現代(当時)の鎌仲ひとみさん。
その後のお二人のご活躍は、ドキュメンタリー映像に関心がある方々はご存知の通りです。
河邑厚徳 監督『天のしずく - 辰巳芳子"いのちのスープ"』(2012) 予告編
鎌仲ひとみ 監督『ミツバチの羽音と地球の回転』(2010) 予告編
私自身はテレビ業界に10年も身を置きながら、こうした先達の足元にも及ばないまま、キャリアを終えてしまいました。
それでも、主たる関心は彼らと同じく「人の生命と心を支える”食べもの”」、「地球環境に寄り添う”電力・エネルギー開発”」となってきているのが面白い。
これからは映像制作とは違った形で未来に(つまり、自分よりも若い世代に)貢献できたら良いな、と考えています。
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さて、話を戻して『エンデの遺言』。
論評めいたものを書くのは得意ではないので、番組の中で印象深かった言葉をいくつか。
ミヒャエル・エンデ(作家)
「マルクスの最大の誤りは、資本主義を変えようとしなかったことです。マルクスは、国家に資本主義を任せようとしたのです。私たちは過去50年から70年のあいだ、対立する”双子”を持っていました。それは『民間資本主義』と『国家資本主義』であり、どちらも資本主義のシステムで、それ以外ではなかったのです。」
シルビオ・ゲゼル (実業家、経済思想家)
「お金は老化しなければならない。そして経済活動の最後のところでは、消え去らなければならない。」
(=自然界にある物質と同様、時間とともに劣化する仕組みに。もちろん、利子の存在を認めてはならない)
ベルナール・リエター (経済学者)
「私たちが常識だと思って使っている通貨は、国や企業に競争を強いる性格を持っています。現在の金融システムが、競争を前提として機能しているからです。もし私が、あなたと協力関係を築きたかったら、そのための”別の通貨”が必要です。目的に応じて、道具は使い分けるべきです。」
「異なる通貨システムは、異なるタイプの関係性を築きます。経済の未来は、私たちがどんな関係を持ちたいかで決まります。世界中で何千も使われ始めた地域通貨は、その関係性を回復させる、新しい道具なのです。」
スティーブ・スミス(農場主、地域通貨”イサカアワー”の支持者)
「昔はNASA(アメリカ航空宇宙局)で働いていたんです。稼ぎは、ちょっとしたものでした。けれど、家庭の外で働き、毎日通勤で時間を取られ、本当の意味で家族の一員ではありませんでした。ですから高収入のライフスタイルをやめ、今は家族と働いています。」
「とにかくこの農場を運営して、豊かな、より美しい場所にしたいと願っています。子どもたちに幸せな子ども時代を与え、彼らが望む未来を掴む、手助けをしてあげたいんです。」
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改めて番組を見ると、最初に目にしたときは気づかなかった(意味ある情報として、自分の中に入ってこなかった)、
「自然環境に配慮した食料生産の重要性、それを支えるために地域通貨は役立つ」
…というメッセージが浮かびあがってきました。
この番組に初めて接した5年前の私は、今の私が使っている「めがね」(=物事の見え方を規定するもの)を持ち合わせていなかったのでしょうね。
いや、実際は逆かもしれません。
長年使い続けた「曇っためがね」を、疑いもなくつけていたような。勇気を出して取り外してみれば、視界はすっかりクリアになります。ほんとうに。
自分自身の変化を自覚するのは、やっぱり面白い。これからの5年間、自分にどんな変化が待っているのか、楽しみだー。
(48歳の私は、料理が抜群にうまくなっている予定。で、この本を買いました)
なんだかよくわからないオチで恐縮ですが、こんな感じのゴールデン・ウィーク(春の大型連休)でした、というご報告。皆さんは、どんなふうに過ごされましたか?
それでは、また!
※番組は、You tubeで『エンデの遺言』と検索すれば見られます。とはいえ、画質も音声もよろしくない。NHKソフトウェアさん、DVDソフトとして販売してくれないかな。
※現在のBMI値は22未満ですから、「やせる」必要は無いんですけどね。
「お金は老化しなければならない。そして経済活動の最後のところでは、消え去らなければならない。」
(=自然界にある物質と同様、時間とともに劣化する仕組みに。もちろん、利子の存在を認めてはならない)
ベルナール・リエター (経済学者)
「私たちが常識だと思って使っている通貨は、国や企業に競争を強いる性格を持っています。現在の金融システムが、競争を前提として機能しているからです。もし私が、あなたと協力関係を築きたかったら、そのための”別の通貨”が必要です。目的に応じて、道具は使い分けるべきです。」
「異なる通貨システムは、異なるタイプの関係性を築きます。経済の未来は、私たちがどんな関係を持ちたいかで決まります。世界中で何千も使われ始めた地域通貨は、その関係性を回復させる、新しい道具なのです。」
スティーブ・スミス(農場主、地域通貨”イサカアワー”の支持者)
「昔はNASA(アメリカ航空宇宙局)で働いていたんです。稼ぎは、ちょっとしたものでした。けれど、家庭の外で働き、毎日通勤で時間を取られ、本当の意味で家族の一員ではありませんでした。ですから高収入のライフスタイルをやめ、今は家族と働いています。」
「とにかくこの農場を運営して、豊かな、より美しい場所にしたいと願っています。子どもたちに幸せな子ども時代を与え、彼らが望む未来を掴む、手助けをしてあげたいんです。」
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改めて番組を見ると、最初に目にしたときは気づかなかった(意味ある情報として、自分の中に入ってこなかった)、
「自然環境に配慮した食料生産の重要性、それを支えるために地域通貨は役立つ」
…というメッセージが浮かびあがってきました。
この番組に初めて接した5年前の私は、今の私が使っている「めがね」(=物事の見え方を規定するもの)を持ち合わせていなかったのでしょうね。
いや、実際は逆かもしれません。
長年使い続けた「曇っためがね」を、疑いもなくつけていたような。勇気を出して取り外してみれば、視界はすっかりクリアになります。ほんとうに。
自分自身の変化を自覚するのは、やっぱり面白い。これからの5年間、自分にどんな変化が待っているのか、楽しみだー。
(48歳の私は、料理が抜群にうまくなっている予定。で、この本を買いました)
なんだかよくわからないオチで恐縮ですが、こんな感じのゴールデン・ウィーク(春の大型連休)でした、というご報告。皆さんは、どんなふうに過ごされましたか?
それでは、また!
※番組は、You tubeで『エンデの遺言』と検索すれば見られます。とはいえ、画質も音声もよろしくない。NHKソフトウェアさん、DVDソフトとして販売してくれないかな。
※現在のBMI値は22未満ですから、「やせる」必要は無いんですけどね。
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