2030年に向けた(私の)アクションプラン【前編】

2015年5月2日土曜日

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こんにちは、コーゾーです。
ぼんやりしているように見える私にも、この数週間のあいだ、色々なことがありました。

前回記事の趣旨は「訪日観光サービスを始める前に、6070代の(日本人の、ご近所の)アクティブシニア向けサービスから始めるぞ!」

ということだったのですが、現在はふたたびこちら、




「海外から京都にお越しになる方むけの、観光手配サービスの開発+そのためのチームづくり

に、意識が切り替わっています。

理由は書き出すと長くなるので、直接会った時に聞いてくださいね。
(周囲の変化に合わせて、私自身の対応も日々、変化しています)

 とはいえ、前回書いた
 「2030年の日本はどうなっていて、その社会で自分がどのような役割を果たすのか」

というのは非常に重要なテーマですので、私自身の頭の整理のために、考えをまとめてみたいと思います。

日本の人口ピラミッドの推移を見てみよう

巷でよく言われる「少子高齢化」。

「これからは少ない現役世代で、たくさんの高齢者、要介護者の生活を支えなければ!」というように、社会福祉の文脈で語られることが多いと思います。

実際のところ、日本人の高齢化の進展度合いはどのようなものなんでしょう。それを知るためにはまず、日本人全体の人口構成(いわゆる「人口ピラミッド」)の推移を見る必要があります。

国立人口問題・社会保障研究所のWebサイトには、このような図が出ていました。



色が青から赤に変化して以降は、未来のデータですから推計値ということですね。

ではこの中から、2つの時期をピックアップしてみましょう。まずは私が生まれたころ、昭和50年(1975)の人口ピラミッド。

 昭和50年(1975年)

 (出典:総務省統計局 公式Webサイト、以下同じ)


今から40年ほど前、日本の人口構成はこんな感じでした。ちゃんと底のほうが広いピラミッド型をしていまして、当時は日本の人口の大半(9割以上)が65歳未満の人たち。これなら社会保障の仕組みも、そんなに深く考えなくても大丈夫そう!

しかし実際には、介護保険制度導入(2000年)以前の「高齢者の介護」には、今以上に深刻な課題が横たわっていました。

介護保険制度が導入される以前のこと

介護保険制度(法案の成立は1997年、制度の導入は2000年)以前の日本の高齢者福祉には、少々乱暴な書き方になりますが、大きく3つの課題があったように思います。

 ①「医療」の枠組みの中で捉えられてきた

 →昭和48年(1973)、当時の田中角栄内閣が福祉元年」と称して導入した政策も「70歳以上の医療費は無料」といったもので(※現在は違います)、「生活に支障のある高齢者の日常サポート」というニーズからは乖離が大きかった


 ②「特別養護老人ホーム」のような施設はあったが数が少なく、また利用者が入所したい施設を選択できなかった

 →いわゆる「措置制度」と呼ばれるもので、対象者は行政機関が決めた場所に入所しなければならなかった。サービスの供給量が乏しかったため、選択の余地がなかった


 ③認知症であれ身体的なハンディであれ、「家族が家庭内で介護をするのが当たり前」という風潮が根強かった

 →「介護は娘さんやお嫁さん、あるいは妻の仕事」という感覚が、当時は支配的だった。現在も、男性に比べて女性の負担が大きい状況は、大きくは変わっていないと思いますが



当時の世相を、今の若い人たちに伝えるにはどうすればいいでしょう?

たとえば1972年にはこの本が発売され、話題となりました(その年の販売部数1位、194万部)。

認知症の舅を介護する嫁(息子の妻)による、家庭内介護をテーマとした先駆的な小説で、その後に何度もドラマ化されています。

有吉佐和子『恍惚の人』

(恥ずかしながら読んだことがないので、この機会に手にとってみようと思います)


また、少し後(1991年)になりますが、テレビ局でもこうした番組が作られていました。

NHKスペシャル『二人だけで生きたかった


(こちらは、某テレビ局内の映像ライブラリーで見た記憶が…)


認知症の妻の介護に疲れた夫が、夫婦で自殺を図るまでのあいだ、25日間をどのように過ごしたかを、ドラマ仕立てで描いたもの。実話を元にした映像化でした。

1990年代はまだ、こうしたテーマが”真に迫るもの”、”人ごととは思えないこと”として伝わっていた、そんな時代でした。

「今のほうが、制度の整った良い社会である」などと、短絡的なコメントができないのはもちろんですが、介護保険制度が始まった2000年4月以降は

「家族・親族以外の人が、介護の担い手となる」

「介護に関する相談窓口が、普通に存在する」



という状況が少しずつ広がってきたことは、純粋に良いことだと思っています。


日本の未来は、高齢化社会の理想モデル? それとも…?

さて、上記の人口ピラミッドには特異な点もいくつか見られます。

いわゆる団塊世代(1947〜1949生まれ、この時点で27歳前後)」の多さが突出していますし、その子供世代にあたる「第2次ベビーブーム世代(1972〜1974生まれ、私もココ)」が、次に大きな層を形勢しています。

では、団塊世代が揃って80歳を越える2030年はどうでしょう。今から15年後の日本のすがたです。



2030年、日本の人口は(さまざまな変動要素はあり、断定はできませんが)現在の1億2800万人から1億1600万人まで、およそ1割減少するそうです。

そしてこの時点で、日本の高齢化率(全人口に占める65歳以上の割合)は31.8%。1975年の時点で7.9%にすぎなかったことを思うと、驚くべき社会構造の変化です。

ちなみに2010年時点での高齢化率は23.0%。出生率の低下傾向が続いていることもあり(※)、すでに日本ではかなりの高齢化が進んでいることがわかります。

※合計特殊出生率が2.0以上でないと人口が増えないところ、日本は長期にわたり1.6以下の状況が続く。内閣府発行の「少子化社会対策白書(平成25年版)」より


高齢化の進展は2030年以後もじわじわと続き、私が(生きていれば)80歳となる2050年ごろには、高齢化率はほぼ40%になる見通しです。

下の図を見てもわかるように、日本という国が「高齢化社会の先頭を走る国」、「常に高齢者の割合が世界一の国」であることは、どうやら私の存命中には変わりそうもありません。



 資料:UN, World Population Prospects:The 2010 Revision

 ただし日本は、2010年までは総務省「国勢調査」、2015年以降は国立社会保障・人口問題研究所「日本の将来推計人口(平成24年1月推計)」 の出生中位・死亡中位仮定による推計結果による。 

 (注)先進地域とは、北部アメリカ、日本、ヨーロッパ、オーストラリア及びニュージーランドからなる地域をいう。 開発途上地域とは、アフリカ、アジア(日本を除く)、中南米、メラネシア、ミクロネシア及びポリネシアからなる地域をいう。
 
 出典:高齢社会白書 平成23年版 第1章第1節ー5

 

さて、ここからが本題。

まだ創業前で時間があるうちに、

「これからの日本のために、私たち現役世代は、こういう社会にしていくよう努力しなければいけないのでは?」

という考えを、私なりにまとめておきたいと思っています。




(以下、後編につづく…)

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