ぼんやりしているように見える私にも、この数週間のあいだ、色々なことがありました。
ということだったのですが、現在はふたたびこちら、
「海外から京都にお越しになる方むけの、観光手配サービスの開発+そのためのチームづくり」
に、意識が切り替わっています。
理由は書き出すと長くなるので、直接会った時に聞いてくださいね。
(周囲の変化に合わせて、私自身の対応も日々、変化しています)
とはいえ、前回書いた
「2030年の日本はどうなっていて、その社会で自分がどのような役割を果たすのか」
というのは非常に重要なテーマですので、私自身の頭の整理のために、考えをまとめてみたいと思います。
日本の人口ピラミッドの推移を見てみよう
巷でよく言われる「少子高齢化」。
「これからは少ない現役世代で、たくさんの高齢者、要介護者の生活を支えなければ!」というように、社会福祉の文脈で語られることが多いと思います。
実際のところ、日本人の高齢化の進展度合いはどのようなものなんでしょう。それを知るためにはまず、日本人全体の人口構成(いわゆる「人口ピラミッド」)の推移を見る必要があります。
「これからは少ない現役世代で、たくさんの高齢者、要介護者の生活を支えなければ!」というように、社会福祉の文脈で語られることが多いと思います。
実際のところ、日本人の高齢化の進展度合いはどのようなものなんでしょう。それを知るためにはまず、日本人全体の人口構成(いわゆる「人口ピラミッド」)の推移を見る必要があります。
国立人口問題・社会保障研究所のWebサイトには、このような図が出ていました。
色が青から赤に変化して以降は、未来のデータですから推計値ということですね。
ではこの中から、2つの時期をピックアップしてみましょう。まずは私が生まれたころ、昭和50年(1975)の人口ピラミッド。
(出典:総務省統計局 公式Webサイト、以下同じ)
今から40年ほど前、日本の人口構成はこんな感じでした。ちゃんと底のほうが広いピラミッド型をしていまして、当時は日本の人口の大半(9割以上)が65歳未満の人たち。これなら社会保障の仕組みも、そんなに深く考えなくても大丈夫そう!
しかし実際には、介護保険制度導入(2000年)以前の「高齢者の介護」には、今以上に深刻な課題が横たわっていました。
介護保険制度が導入される以前のこと
介護保険制度(法案の成立は1997年、制度の導入は2000年)以前の日本の高齢者福祉には、少々乱暴な書き方になりますが、大きく3つの課題があったように思います。
①「医療」の枠組みの中で捉えられてきた
→昭和48年(1973)、当時の田中角栄内閣が「福祉元年」と称して導入した政策も「70歳以上の医療費は無料」といったもので(※現在は違います)、「生活に支障のある高齢者の日常サポート」というニーズからは乖離が大きかった
②「特別養護老人ホーム」のような施設はあったが数が少なく、また利用者が入所したい施設を選択できなかった
→いわゆる「措置制度」と呼ばれるもので、対象者は行政機関が決めた場所に入所しなければならなかった。サービスの供給量が乏しかったため、選択の余地がなかった
③認知症であれ身体的なハンディであれ、「家族が家庭内で介護をするのが当たり前」という風潮が根強かった
→「介護は娘さんやお嫁さん、あるいは妻の仕事」という感覚が、当時は支配的だった。現在も、男性に比べて女性の負担が大きい状況は、大きくは変わっていないと思いますが
当時の世相を、今の若い人たちに伝えるにはどうすればいいでしょう?
たとえば1972年にはこの本が発売され、話題となりました(その年の販売部数1位、194万部)。
認知症の舅を介護する嫁(息子の妻)による、家庭内介護をテーマとした先駆的な小説で、その後に何度もドラマ化されています。
有吉佐和子『恍惚の人』
また、少し後(1991年)になりますが、テレビ局でもこうした番組が作られていました。
NHKスペシャル『二人だけで生きたかった』
認知症の妻の介護に疲れた夫が、夫婦で自殺を図るまでのあいだ、25日間をどのように過ごしたかを、ドラマ仕立てで描いたもの。実話を元にした映像化でした。
有吉佐和子『恍惚の人』
(恥ずかしながら読んだことがないので、この機会に手にとってみようと思います)
また、少し後(1991年)になりますが、テレビ局でもこうした番組が作られていました。
NHKスペシャル『二人だけで生きたかった』
(こちらは、某テレビ局内の映像ライブラリーで見た記憶が…)
認知症の妻の介護に疲れた夫が、夫婦で自殺を図るまでのあいだ、25日間をどのように過ごしたかを、ドラマ仕立てで描いたもの。実話を元にした映像化でした。
1990年代はまだ、こうしたテーマが”真に迫るもの”、”人ごととは思えないこと”として伝わっていた、そんな時代でした。
「今のほうが、制度の整った良い社会である」などと、短絡的なコメントができないのはもちろんですが、介護保険制度が始まった2000年4月以降は
「家族・親族以外の人が、介護の担い手となる」
という状況が少しずつ広がってきたことは、純粋に良いことだと思っています。
日本の未来は、高齢化社会の理想モデル? それとも…?
さて、上記の人口ピラミッドには特異な点もいくつか見られます。
いわゆる団塊世代(1947〜1949生まれ、この時点で27歳前後)」の多さが突出していますし、その子供世代にあたる「第2次ベビーブーム世代(1972〜1974生まれ、私もココ)」が、次に大きな層を形勢しています。
では、団塊世代が揃って80歳を越える2030年はどうでしょう。今から15年後の日本のすがたです。
2030年、日本の人口は(さまざまな変動要素はあり、断定はできませんが)現在の1億2800万人から1億1600万人まで、およそ1割減少するそうです。
そしてこの時点で、日本の高齢化率(全人口に占める65歳以上の割合)は31.8%。1975年の時点で7.9%にすぎなかったことを思うと、驚くべき社会構造の変化です。
ちなみに2010年時点での高齢化率は23.0%。出生率の低下傾向が続いていることもあり(※)、すでに日本ではかなりの高齢化が進んでいることがわかります。
高齢化の進展は2030年以後もじわじわと続き、私が(生きていれば)80歳となる2050年ごろには、高齢化率はほぼ40%になる見通しです。
下の図を見てもわかるように、日本という国が「高齢化社会の先頭を走る国」、「常に高齢者の割合が世界一の国」であることは、どうやら私の存命中には変わりそうもありません。
下の図を見てもわかるように、日本という国が「高齢化社会の先頭を走る国」、「常に高齢者の割合が世界一の国」であることは、どうやら私の存命中には変わりそうもありません。
資料:UN, World Population Prospects:The 2010 Revision
ただし日本は、2010年までは総務省「国勢調査」、2015年以降は国立社会保障・人口問題研究所「日本の将来推計人口(平成24年1月推計)」 の出生中位・死亡中位仮定による推計結果による。
(注)先進地域とは、北部アメリカ、日本、ヨーロッパ、オーストラリア及びニュージーランドからなる地域をいう。 開発途上地域とは、アフリカ、アジア(日本を除く)、中南米、メラネシア、ミクロネシア及びポリネシアからなる地域をいう。
さて、ここからが本題。
まだ創業前で時間があるうちに、
「これからの日本のために、私たち現役世代は、こういう社会にしていくよう努力しなければいけないのでは?」
という考えを、私なりにまとめておきたいと思っています。
(以下、後編につづく…)
まだ創業前で時間があるうちに、
「これからの日本のために、私たち現役世代は、こういう社会にしていくよう努力しなければいけないのでは?」
という考えを、私なりにまとめておきたいと思っています。
(以下、後編につづく…)
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